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[22]高卒ルーキー 2004.8/23 今年のマリーンズ2軍の特徴は高卒ルーキーの活躍だ。1年目は体作りの時期と捉えて実戦での登板を控えることが通例となっている中で、新人5投手は次々とマウンドに登っている。 高卒ルーキー5投手がここまで83試合で投げたのは合計183.2イニング、全体の実に25%を占める。 ハイディ古賀の期待の高さと育成方針の表れ。その象徴的な試合が8月21日の鎌ヶ谷でのファイターズ戦だった。 先発・成瀬善久は、横浜高校からドラフト6位で入団。 「リストが利いているから球に伸びがある」と古賀が評する左の技巧派は、130キロ台のストレートでも三振を奪える球のキレと制球力を持ち合わせている。肩のリハビリを経て初マウンドを踏んだのは6月9日。中継ぎで14試合起用され、ここ2試合は先発として登板している。 2番手・三島輝史は、大阪桐蔭高校からドラフト5位で入団。 開幕から先発の中心として活躍し、2試合連続で7回2失点の好投をするなど5月までに5勝を挙げた。ところが6月以降は急降下。7月は1試合、8月からは中継ぎでここまで3試合の登板。 「フォームが崩れている」と三島本人も古賀も分析するが、突如として崩れた制球力は未だに取り戻せていない。 3番手・藤井宏海は、福井高校からドラフト7位で入団。 投手の少ないチーム事情と「投手としての実力も見てみたい」(古賀)という考えで4月中旬に内野手から投手への転向が決まった。170センチの身長から繰り出す速球は常時140キロ台を記録するようになってきた。 4番手・杉原洋は、開星高校からドラフト3位で入団。 肩の故障や胃腸炎のため、この日が5月8日以来となる5試合目の登板。185センチの長身から投げ下ろす直球が不安定だったが、打撃投手として投げながら修正に励んだ。 同期が投げる姿をネット裏やベンチ脇で眺める日々は焦りを生んでいたが、ようやくスタートラインに立てた。「これから出番が増えていくだろう」と古賀は期待を込める。 こうしてこの日は、18歳の4投手リレーで試合を終えた。 もう1人の高卒ルーキーであり、唯一すでに1軍を経験しているドラフト1位・内竜也は肩の痛みで故障中。4人が投げる姿をネット裏からスコアをつけながら見守った。 古賀がここまで多く高卒ルーキーを登板させる理由は3つ考えられる。 1つ目は、元来の素質。3月の春季教育リーグの時点ですでに内と三島の素質にほれ込んでいた。これはスカウトの功績とも言えるだろう。それだけに古賀は、彼らを一流に育て上げなければならないという強い使命感を抱いている。 2つ目は、投手が少ないチーム事情。ましてや故障者を抱え投手が不足していただけに使わざるを得なかった。 3つ目は、古賀の嗜好。「若手育成が天職」と自認するだけに若手育成に生きがいを感じている。そして「選手は試合の中で成長する」という持論を持つだけに、高卒ルーキーであろうと積極的に実戦の場で起用している。 他チームの高卒入団の主力選手は、プロ入り後3、4年以内にレギュラーとして定着している[別表参照]。 一方マリーンズは、大成した高卒選手の絶対数が少ない上に、選手の成長スピードが極めて遅い。レギュラーとして頭角を現した選手は、入団から半年を投手として過ごした福浦の5年が最短だ。 今季ブレイクした今江敏晃(3年目)、西岡剛(2年目)に続く選手を輩出しなければならない。大学・社会人からの即戦力投手の指名に偏重していたマリーンズが高卒投手をここまで大量に獲得したことは異例の事態だ。それだけに彼らの成長がもたらす意義は大きい。 鎌ヶ谷での試合に敗れた後、古賀は「若手育成に逃げてしまっているかな」と苦笑いを浮かべた。だが、勝利に対する執念はいささかも衰えていない。 4回表、同点で迎えた無死1・2塁で相手打者の打球は三塁線を襲った。1塁側から見ている者の目には明らかにファールに見えた。だが、三塁塁審はフェアと判定。優勝争いとは無縁の戦い。ましてや勝敗が度外視されるニッポンファーム。そうした「仕方ないか」で済まされがちな状況でも、古賀は猛然と駆け寄り、塁審に降りかかるほどの激しさで砂を蹴り上げ、声を荒げた。 この勝利に対する気持ちがどれだけの選手に伝わっているのか。残り1カ月、まだまだ試合は残されている。 高卒選手の成長速度とマリーンズの場合(野手)
高卒選手の成長速度とマリーンズの場合(投手)
[第22週]
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